土砂災害危険箇所図について

1 はじめに

○災害を受けやすい国土、危険箇所数全国一の広島県

 わが国は崖崩れや土石流などの土砂災害が起こりやすい特徴を持っています。これは,国土面積の7割が山地・丘陵地で,地質的にも弱いところが多いためです。
 また,最近では宅地開発で災害の危険をよく知らないままに渓流の出口や斜面の真下の土地などに住宅が建てられることも被害を大きくする要因の一つになっています。
 本県はこのような特徴がひときわ顕著で,全国で最も多くの土砂災害危険箇所を抱えています。
 平成11年6月29日に発生した豪雨災害では,広島市・呉市を中心として被害が発生し,土砂災害で死者24名という近年にない大災害となりました。また,平成13年3月24日に発生した芸予地震では,呉市を中心としてがけ崩れ災害が多発し,多くの人々が被災しました。

○災害を防ぐための対策は防災工事だけ?

 土砂災害を防ぐために,これまでにも砂防工事などの防災対策を行う努力が続けられてきました。しかし,防災工事によって危険箇所すべてを安全にするには,大変な時間と費用が必要です。
 このため,防災工事を進める一方で,災害が起こるおそれのある場所を普段から県民の皆様に知っていただくようにして,大雨などの時には早めに避難ができるようにすることも大切な防災対策ということです。

2 土砂災害危険箇所図の公表

 土砂災害から身を守るためには,県民のみなさんの「日常の備え」と「早めの避難」が重要です。土砂災害危険箇所図は,県民のみなさんが身近にある「土砂災害による被害のおそれのある箇所」を確認し,土砂災害への備えや警戒・避難に役立てていただくことを目的として土砂災害対策を進めるうえで把握した情報について,公表しています。

3 土砂災害危険箇所図

土砂災害危険箇所図とは,土砂災害による被害のおそれのある箇所(注1)を示した図です。対象となる土砂災害は、土石流災害、がけ崩れ災害、地すべり災害です。

(注1)

 土砂災害による被害のおそれのある箇所は,一定の決まりにしたがって調査し線引きしたものですから,この範囲をこえて被害が発生する場合もあります。逆に土砂災害が発生した場合でも,必ずこの範囲全てに被害がおよぶとは限りません。また,ここで図示した箇所以外でも,土砂災害は発生する場合もあります。

土砂災害危険箇所

土砂災害危険箇所図を拡大していくと,土砂災害危険箇所が図示されます。

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